創作舞踊劇
迦具⼟之舞(かぐつちのまい)

解説
「市川海⽼蔵第⼆回⾃主公演 ABKAI 2014」にて初演された演⽬『SOU~創~』。
⽇本最古の歴史書である古事記を取り上げ、須佐之男命(すさのおのみこと)の物語を歌舞伎化した作品です。
この『SOU~創~』の作品の舞踊のシーンを独⽴させて、創作舞踊として再構成した演⽬が『迦具⼟之舞(かぐつちのまい)』です。今回は「水戸歌舞伎花火」のための特別演出にてご披露致します。
独特のダイナミックな演出と、迫⼒ある群舞で壮⼤な神話の世界をお楽しみ下さい。
あらすじ
⺟・伊邪那美(いざなみ)を慕い、⻩泉の国から救いたいと願う須佐之男命は、⽗・伊邪那岐(いざなぎ)の海原を治めよという命に背き、⺟を思い、泣き暮らしていた。
姉である天照⼤御神(あまてらすおおみかみ)が、考えを改めるようにと送ってきた使者を、斬り殺してしまった須佐之男は、直接天照に申し開きをするべく、⾼天原(たかまがはら)へと旅⽴つ。
⾼天原で⼼の潔⽩を証明した須佐之男は、天照から悪神退治を命じられる。魑魅魍魎に戦いを挑んだ須佐之男であったが、たちまち四肢を捉えられてしまう。
もはやこれまでかと思われたその時、須佐之男に語りかけるものがいた。⽣まれし時に、⺟・伊邪那美を焼き尽くし、そのために⽗・伊邪那岐に⾸を切り落とされた⽕之迦具⼟神(ひのかぐつちのかみ)である。
⺟・伊邪那美を思うその⼼を知った迦具⼟が共鳴し、⽕の神々の⼒を得た須佐之男は息を吹き返すのであった。
『迦具⼟之舞』(『SOU~創~』より 作:⻑⽥育恵)